2016年11月27日日曜日

結核隔離入院⑤~入院費~

入院医療費は基本的に患者負担ではありません。結核医療費公費負担制度というものがあるらしく、排菌している患者の入院医療費は公費が負担してくれます。

患者が自分で支払わなければいけない費用は歯科・診断書・選択食ぐらいです。歯科というのは、結核の患者は長期入院なので、途中で歯の調子が悪くなることもあるんですよね。そういう時、歯科の先生が病棟まで出張診察に来てくれるんです。診察といっても、歯医者のように器具がそろっているわけではないので、ほとんど何もしてくれないみたいですけど。診断書は勤務している会社や保険会社に提出する用ですね。選択食というのは、毎食基本のメニューは決まっているんですけど、108円払えば違うメニューを選ぶことができるという「違うメニューを選んだ代」のことです。

歯は問題なし、診断書は必要なし、選択食は利用しないというのであれば、請求は0円です。私はたまに選択食を選んでいたので、9月は756円、10月は648円でした。請求書を見ると保険点数は65000点ぐらいだから、実際には65万円かかってるってことだよね。公費負担制度、本当にありがたい。

2016年11月26日土曜日

結核隔離入院④~入院期間~

隔離入院ってどれぐらいの期間なんだよ。一番気になるところ。

入院は最短で4週間、大体の人は2ヶ月、長い人は3ヶ月~4ヶ月ですかね。4週間で退院できる人は、結核を発症して早い段階で入院した人。まだ咳や微熱の症状はほとんど出てないけど、たまたま検診や検査があり、結核が発覚した人。または数週間軽い咳が続き、病院で検査をしてもらったら結核だった人。この初期の咳で結核判明につながる検査をしてもらえた人はラッキーだったと思う。風邪と判断して風邪薬を処方するお医者さんも多いから。ただこの風邪薬を飲んでも咳はなくならないから、患者自身が風邪じゃないと気づかなきゃいけないけないんだね。咳がひどくなってから早い段階で入院した人は2ヶ月。咳がひどくなっても放置し、体がフラついてきてやっと病院に行った人は3ヶ月~4ヶ月。そこまで病院に行かなかった人は病院嫌いが多いね。

ちなみに私は3ヶ月~4ヶ月グループ。何回かクリニックに行って、風邪と診断され、「あぁ、風邪か」と放置していた。入院生活3ヶ月目になると、結核病棟の長期入院患者TOP5にランクインします。つまりほとんどの人は3ヶ月を迎える前に退院していくんだよね。

ちなみに退院基準は塗抹検査で3回連続(-)マイナスが出ること。この塗抹検査は痰の中の結核菌の多さを検査するもので、検査結果は(-)、(±)、(+1)、(+2)、(+3)で表される。塗抹検査は週一回行われ、その日の夕方以降に結果がわかる。薬を飲み始めて2週間後の塗抹検査から退院基準にカウントされるので、退院は入院から最短4週間後。2回(-)が出たとしても、3回目で(+)が出るとまた振り出しに戻る。その後また3回連続(-)が出るまで最短21日。ただ塗抹検査で3回連続(-)をクリアし、退院したとしても、すぐ仕事に復帰できるかは別問題。接客業の場合、培養検査をクリアしなければ復帰できないケースが多い。

培養検査とは痰を結核菌が育ちやすい環境におき、菌が育つかを見る検査。これで生きている菌か死んでいる菌かがわかる。6週間培養し、菌が生えると結果は陽性、生えなければ陰性となる。。接客業の人で塗抹検査をクリアして退院したけど、培養検査が陽性なので復帰できず、退院後も毎週病院に痰を提出している人も少なくない。培養検査は結果がわかるのに6週間かかるから、長いんだよね。ちなみに入院期間が長いと、塗抹検査で(+)でも培養検査で陰性になることがある。培養検査で陰性が3回連続出ることも退院基準の1つ。ただ普通の人は培養検査の結果より早く塗抹3回(-)が出るから、塗抹検査で退院していく。培養検査で陰性が3回出るには、最短でも3ヶ月かかる。

生活環境によって、退院基準が塗抹ではなく、培養の人もいる。例えば私。1歳と3歳の幼い子供がいるので、培養検査をクリアしなければ退院できなかった。結局4ヶ月かかったよ〜。

2016年11月18日金曜日

結核隔離入院③~治療と入院中の過ごし方~

8月31日、国立国際医療研究センター病院に向かいました。入院生活の始まりです。治療は1日一回薬を飲むこと。薬の量は体重によって変わるが、私は錠剤10錠(そのうち2錠はビタミン)と粉薬1gでスタート。毎朝看護師さんが検温で回ってきた時に、看護師さんの目の前で薬を飲み、服薬ノートにサインをしてもらいます。DOTS(ドッツ)という、服薬確認を医療者にしてもらう治療方法みたいです。薬は結構きついものを飲んでいるようで、副作用がでる人も多いです。痒みが出たり、熱が出たり、副作用が肝臓の数値異常で表れる人もいます。

1日のタイムスケジュールは以下の通り。

8時 朝食
10−11時 検温、薬を飲む(DOTS)
12時 昼食
(15時 平日は出張コンビニ)
18時 夕食
19−20時 検温
21時 消灯

週一回採血、痰の検査、レントゲンがあります。食後は病棟内をウォーキングしている人が多いかな。14:30頃にベッドの清掃があり、寝ている人は起こされます。15時に出張コンビニでおやつを買って、おやつタイム。その他の時間は本を読んだり、テレビを見たり、おしゃべりしたり、パソコンで仕事をしている人もいます。

2016年11月10日木曜日

結核隔離入院②~入院準備~

よし、入院の準備しよう。以下の持ち物は入院案内に書いてあったもので、※は私が補足した文です。

・健康保険証、各種受給者証、限度額適用認定証
・入院する患者本人の印鑑
・診察券 
※他の病院からの紹介で入院だったら、入院初日に病院で作ってもらう
・現在飲んでいる薬、お薬手帳、写真入りの薬説明書
・洗面用具(せっけん、歯ブラシ、くし等)
※手洗い石鹸は各部屋の洗面所に置いてある。シャンプーとボディソープは備え付けのものがないので、持参。ドライアーは病棟で借りれる(無料)。
・箸、スプーン等
※カレーやシチューも出るのでスプーンも必要。スパゲッティも出るからフォークもあったらいいかな。箸などの水洗いが嫌な人は、食器用洗剤とスポンジ(小さくカットしたものがオススメ)があった方がいい。
・日用品(ねまき、タオル、下着、ティッシュペーパー等)
パジャマ・タオルのレンタルサービス(有料)もあり
・すべりにくく、かかとの高くない履き物
※病棟内ではサンダルやクロックス、スリッパを履いている人が多い
・入院の案内
※入院初日に病院からもらう

以下は入院案内には書いてなかったけど、あったら便利なものや、長期入院で必要になってくるもの。最短でも5週間は入院だからね。

・イヤホン(テレビを見る時に必要)
・コップや水筒(食事の時に湯飲み一杯のお茶は出てくるが、その他はなし。自分で用意する。)
・ポン酢(食事で味が薄い時に使う。しょうゆより使い勝手がいい。)
・洗濯用洗剤(洗濯機・乾燥機は有料で使える。)
・爪切り、耳かき
・電気ケトル(お湯はレンジでも沸かせるけど、ケトルがあると便利)

病院で借りられるもの、備品は以下の通り。
【無料】レンジ、トースター、ドライアー
【有料】テレビ、冷蔵庫、インターネット、洗濯機・乾燥機

何か足りないものがあったら出張コンビニ(結核患者は病棟の外に出られないので、平日毎日病棟にワゴンで来てくれる)で買うこともできるので、焦らなくても大丈夫です。また新しくインターネットで注文するなら、配達先を病院にすれば直接病棟に配達してもらうこともできます(住所欄に階と病棟を記入)。暇つぶし用の本やマンガは病棟に何冊もあります。インターネットはLANケーブルをつなぐタイプが有料で使えるのですが、速度が遅いので使い物になるかどうか・・・。動画をたくさん見ようと思っている人はレンタルWiFiがお勧めです。